おとしもの

「ぼく」が仲良くなったヘンテコな生き物は、どこにも帰る場所のない「迷子」だった……。

オーストラリアの絵本作家ショーン・タンの描くちょっと不思議な世界を、オリジナルの音楽と共に人形劇でご案内します。

作品情報

「ロスト・シング」(ショーン・タン作、岸本佐知子訳、河出書房新社)を原作として、2018年度新人公演作品として制作。いいだ人形劇フェスタ参加作品。

丈30cmほどの人形を、テーブルのような舞台の上で操る作品です。時には人形を操る遣い手自身も登場人物となり、自在に人形とやりとりします。

あらすじ

ある夏の日、「ぼく」がビーチで出会ったヘンテコな生き物は、どこにも帰る場所のない「迷子」だった。ぼくはそいつのことを知る人がいないか探して回るが、周りのみんなは忙しそうで誰も取り合ってくれない。ぼくは、なんとか迷子の居場所を探そうと旅に出るが……。

クレジット

  • 原作:「ロスト・シング」ショーン・タン作、岸本佐知子訳/河出書房新社

  • 演出:稲田 和巳(宴)

  • 音楽:Astere(情報メディア創成学類)

  • 照明:ディーゼルカー

  • 音響・照明オペレート:亀戸


上演条件等

  • 上演時間30分

  • 中学生〜大人対象

  • キャスト3〜4名、スタッフ1名

  • 電源容量20A

  • 要暗転

演出家のことば

いつもは自転車で通る道を歩いてたどると、新しい発見がありますよね。そんなのやったことない?道のヘンテコな模様に目が行ったりとか、普段知らなかった脇道を見つけたりとか。ハンドルを握って前を向いているだけでは見つからない景色に出会えます。

小さい頃は自分の足で走り回って遊んでいた道をやがて自転車で急ぐようになり、いつかは自動車でただ通り過ぎるようになる。こどもの世界から大人の社会に移るにつれ、移動の効率と引き換えに、身のまわりの細やかな物事には気づきにくくなったと感じるようになりました。

原作者のショーン・タンは、画一化・効率化された社会で失われたり見逃したりされがちな物事へ向ける視点が素敵な作家です。彼がいきいきと描く世界が、いつかまた私達にも見えるようになるといいな、と思っています。

稲田和巳/宴

作曲者紹介

Astere(アステレ)

劇伴作曲家。筑波大学情報学群情報メディア創成学類所属。演奏者として幼少期から磨いてきた感性を武器に、2015年から作編曲を始める。作品の中に感じられる空気を大切にし、音楽でその世界を色付ける。

本作品のオリジナル・サウンドトラックが、SoundCloudでご視聴いただけます。

上演記録

  • 2018年8月 いいだ人形劇フェスタ:丸山公民館(長野県飯田市、初演)

  • 2018年8月 いいだ人形劇フェスタ:羽場第一公会堂(長野県飯田市)

  • 2018年8月 小学校児童クラブでの依頼公演(茨城県守谷市、2校を巡回)

  • 2018年8月 つくば市民ギャラリー(茨城県つくば市)

  • 2019年5月 筑波大学中央図書館

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